最強は疑わしくも確実に最高な二人が、人の怨念を中和していきます

題名は「最強で最高な二人」ですが、前半はやや疑わしいです。力というか力量を見れば。

言葉の話をします。「最強」は他人が客観的に認めないと成り立ちませんが、「最高」は時に当人がノリノリであれば口に出ることもあります。

そう、「最高」なのはバディを組む二人のノリの良さ。これが楽しいのなんの。もう、最高!

それで、物語は除霊を軸に進んでいきますが、人が老衰以外で命を落とすのは大変なことです。しかも事件となれば。霊として残る人が生前に体験した話、かといって、こっちにも都合があると迫る、存命の人間による主張。作者は人間心理の怖さ汚さを描くことに定評があります。現場は恐ろしいものばかりです。

人間心理の怖さ汚さが、最高な二人の掛け合いにより中和されていきます。語り口において読みやすいですし、現に作中世界で毒が中和されていきます。

もし不慮の事故で亡くなったらこの二人に、とは不謹慎な話ですが、この二人に真相を明かしてもらえるならいいかなと、ちょっと、思えてきます。最強なのか疑わしいので、ちょっと、ですが。

人間の心の毒に中和剤を添えて、安全に召し上がれます。

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