偉大な芸術家が去った世界で、主人公は何を思い筆を執るのか。

公開されている第3話まで拝読しました。

偉大な芸術家を祖父に持った主人公。彼自身も優れた画家だったが、祖父の圧倒的な才能の差に絶望し、筆を折ってしまう。物語はそんな偉大な祖父の死から始まります。

『芸術』を題材にしている点がなかなか他作品にない個性として、キラリと光っています。私も文章を『書く』という創作をしていますが、やはり何かを表現する世界にはそれぞれの葛藤がありますよね。登場人物たちの描写が丁寧な文章で書かれていて、タグにある純文学にふさわしい濃厚な内容でした。

主人公は女性的な容姿をした男性ということですが、『彼』と『彼女』の表現が入り混じっていたことで少し混乱してしまいました。何か意図されたものがあるとしたら、自分の読解力のなさを嘆くばかりです……(泣)

が、物語はまだ始まったばかりです。新たな来客や、筆を折った主人公が最後に描く桜も気になります。

透き通った文学の世界に触れたい方、ぜひご一読ください!

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