概要
美の世界は色彩溢れていて、青春薫る現実世界は何処までも澄んでいた──。
かつて有名な画家の後継者であった少年は、その祖父の死と同時に筆を折った──。それから幾ばくかの時が過ぎて高校生。そこで繰り広げられるは、春夏秋冬の四章から連なる“四季折々”のラブコメ物語──、或いはもう一度夢を追いかける彼彼女等の青香る青春と苦難の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!千歳の「櫻」が表す彼の心性とは
千歳の祖父であり、偉大すぎる画家・月代白阿の死後からはじまる物語。
祖父の絵画はどれだけ評価されていたのか克明に描写はされるが、その絵画自体の描写が、意図的なのか曖昧にぼかされています。
(第1話の『一般人から見ればなんてことない風景描写などなど』と)
そのため、本作で重要となるであろう、祖父と千歳の『才能の差』がどれほどなのか、このレビュー時点の最新話(第4話)では不明なままになっています。
それは、これから千歳の『絵を描く』という行為と意味によって明らかにされるのだろうと思われます。
文章は若干詩的でそれが読みづらくも感じました。
しかし、千歳の心象など、丁寧に描写されている部分もある…続きを読む - ★★ Very Good!!偉大な芸術家が去った世界で、主人公は何を思い筆を執るのか。
公開されている第3話まで拝読しました。
偉大な芸術家を祖父に持った主人公。彼自身も優れた画家だったが、祖父の圧倒的な才能の差に絶望し、筆を折ってしまう。物語はそんな偉大な祖父の死から始まります。
『芸術』を題材にしている点がなかなか他作品にない個性として、キラリと光っています。私も文章を『書く』という創作をしていますが、やはり何かを表現する世界にはそれぞれの葛藤がありますよね。登場人物たちの描写が丁寧な文章で書かれていて、タグにある純文学にふさわしい濃厚な内容でした。
主人公は女性的な容姿をした男性ということですが、『彼』と『彼女』の表現が入り混じっていたことで少し混乱してしまいました…続きを読む