スローペースで「読者」と「主人公」が一緒に考える「哲学的」な小説

 名作なんですよ、間違いなく。読者にゆっくりと語り掛け、読者と一緒に考えていく感じのストーリーです。そして、本当に丁寧なつくりをした小説です。新キャラが出てきたとき、わざわざ外伝を設定して、新キャラを掘り下げるくらいの丁寧さです。

 ただ「テンポ云々」とか言っちゃう人にはつらい小説かもしれません。物語全体がスローペースで、主人公が旅立つまで20話以上使っちゃってますから。でもですよ。20話以上使って「主人公」が旅立つ理由を「一緒に読者」に考えてもらう内容になっているのです。そして、その考察は、とても哲学的なのです。

 「ファンタジー」と「ミステリー」の両方が好きな人におすすめな小説でして、世界観は「日本神話」にちょっと似ているかなって感じです。

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