乱世の厳しさ、人の想いの熱さ、そして温かさ。

誰もが知っている桶狭間の戦いの、誰も知らない真実の姿が見える。
そんな物語のように感じました。

なぜ信長は東海道一の武将に勝てたの?
義元の驕り? 信長の勢い?

歴史の授業や様々な創作物で「桶狭間の戦い」には触れてきたけれど、私は殆ど分かっていなかったみたいです。
この作品を読むと、戦はそんな簡単なものではなくて、国を率いる武将たちが、その元にいる多くの人々が、守るべきもの果たすべき夢のために策略をめぐらせ戦っていく……色んなものが折り重なったものなのだとしみじみ感じる事ができました。

そしてこの物語の醍醐味は「人間」をとても丁寧に描いている所です。
親子、夫婦、師弟、主従の愛情と厳しさを。
そしてどこか人の温かさというか希望を感じさせてくれる物語になっています。

また有名人がいい感じにストーリーに絡んでくるのも魅力です。
作者のサービス精神(悪戯心?)にくすりとしながらも、テンポよく読み進めることができる素敵なスパイスになっていて楽しいのです✨

歴史好きはもちろん、そうでない方にも是非読んでいただきたい、とても面白い小説です。
これまでに無い桶狭間の戦いの世界を味わい、歴史の浪漫に浸ってください!

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