中南米のある国から亡命を試みる双子のバッテリーのお話。どこか哀しくもの静かな雰囲気です。ギリシャ神話のネタから始まり、どうなっていくのか、ドキドキしました私にとっては全然知らない世界でした。それがとても鮮明に描かれていて、彼らの視界を知ることで、世界の広さを感じました。その上で、この結末が描かれるからこそ、誰かにオススメしたい作品です。
若き双子の野球選手が、どうにもならない現状から抜け出そうともがくお話。 いわゆるスポーツもののお話……には違いないのですけれど、主軸がもっと大きなところにあるのが魅力の物語です。 彼らを取り巻く社会とか、あるいは国家という枠組みとか。 彼ら自身の努力ではおよそどうにもできない、大状況としての〝厳しい現実の壁〟に、それでも抗わんとする姿に胸を締め付けられます。 その悲壮な覚悟と、そして縋った夢のか細さがもう……。 わずか4,000文字ほどの小品ながら、ぐっと胸に迫るような分厚さを持った作品でした。すごい。
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