白い向日葵は太陽を見ない。

高校生・雨宮直人はある日、父の再婚により突然“妹”ができる。彼女の名は天野向日葵。
白い肌、白い髪、赤い瞳――その異質な見た目と、人を拒むような無口さで、向日葵もまた教室の中で孤立していた。

最初は気まずいだけの同居生活。
でも、毎朝同じ食卓を囲み、同じ道を歩き、些細な言葉を交わすたびに、直人は彼女の“脆さ”に気づいていく。

彼女は笑わない。目を合わせない。
それでも、静かに涙をこぼす夜があった。
誰にも見せない傷を抱えて、それでもまっすぐに生きようとしている――その姿が、いつしか直人の心を動かし始める。

だが、向日葵には語られない過去があった。
隠された秘密と、消えない罪の影。
そして彼女の存在を脅かす、ある“事件”の火種が、日常に忍び寄ってくる。

これは、過去に傷ついた少年と、心…続きを読む