概要
四十九の弁を散らして、彼女らは天に昇る
偽教授散華杯に寄せて、ある集落での葬送の習慣を書きました。
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- ★★★ Excellent!!!その清さは、己の穢れを映し出す
独自の世界観と集団の中で描かれる、一つの葬送の在り方。
その儀式化された行為から感じられるある種の美しさは、幻想的な世界観の中でさらに際立っていたように思いました。また、『美しい』に留まらないという点も、面白い部分ですね。美しさの中の狂気とは、まさにこのことかと。
そして、登場人物たち各々の葬送に対する価値観。
ここでは人間性というものが色濃く反映されており、それぞれの人生の足跡や凝り固まった考えが妙な現実味を帯びていて、フィクションに感じられない部分も多々あったかと思います。
短編小説ですが、作者様は説明で補えなかった部分を読者に投げるというよりは、全体に薄く散りばめておられる印象でし…続きを読む