セマザサ族にとっての刺繍は、「祈り」と「人生の記録」——。

 タイトルにあるように、この作品は「セマザサ族」という民族の風習であり文化である「刺繍」に焦点を当てたお話です。

 語り手はセマザサ族ではない外部の人物ですが、彼らの文化である「刺繍」について学んだことを、朴訥としながらも丁寧に語っていきます。

 セマザサ族にとっての「刺繍」は、「祈り」と「人生の記録」が一体となったもの。そのため彼らは、生まれると黒く染められた布を与えられ、最初に生まれた日のことを糸で縫って示し、それ以降は出来事があるごとにその布に記していくのです。

 さて、その「刺繍」にはどんなことが書いてあるのでしょうか。気になった方は、読んでみてください。
 セマザサ族ではない語り手が、最後にセマザサ族のために祈ったことを知ったとき、きっと何か感じるものがあるのではないかな、と思います。

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