扱う刀を折ってしまう凄腕の侍が、唯一使えなかった刀がある。

日陰兵衛という、凄腕の侍のお話です。

彼の扱う剣術は人体を一刀両断してしまう程の剛剣ですさまじく、普通の扱いなら大丈夫なはずの刀もすぐに折れてしまう。だから彼は背負子にたくさん刀を担いで、戦う時は何本も刀を地面に突き刺して折りながら戦うわけです。
もうその戦い方からして浪漫。浪漫の塊以外の何物でもない。

イメージ通りの剣豪さながらの彼はぶっきらぼうで粗雑で、ひょんな出来事から彼の旅路に着いてくるようになったおりんという少女にまぁ滅法辛辣にあたるわけですが、それがどんどん絆されてこっちがニヤニヤしてしまう展開になっていくのがたまらないものがありました。
ぶっきらぼうな青年と健気で頑張る少女が好きな方!ここに!ここにありますよ!

旅路の間に得た仲間(というか勝手に着いて来た連れ添い達)や暗躍する敵、敵の中でも芯のある魅力的な剣豪等々、一話一話の構成がいつも見事で、ドキドキとハラハラとニヤニヤの三種類が絶妙の塩梅になっております。
レビューのタイトルにあるのは私が感じたニヤニヤの頂点になりますので、読んで見つけていただきたく!

一度読み始めたら止まらない。是非一気に最後まで読破頂きたい作品です!

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