実体のない僕らは、あの日この空き教室で出逢った——

 始まりはある昼休みの事。
 人に酔って、迷子のように歩く主人公が導かれるように入ったのはひとつの空き教室。
 彼はその机に傷痕のように残された一文を見つけてしまう。そこから始まったのは、奇妙な交換日記で……。

 ここにはひとつの出会いと別れ、そしてひとつの季節がまるごと詰まっている。
 その季節の終わり、彼の嘘が最後に導くものは一体——?

 800文字という字数の中で描かれたとは思えないほどの、しっとりと心に響く物語です。

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