艶やかな赤に包まれた夜は、棘を携えて人を魅了する

類い稀な美しさは、そうあることを保つための棘を持っている。
逆に言えばその棘に、美しさの根源がある。
もしくは、棘そのものに、もしかすると人は、無意識にも魅了されているのかもしれない。

サムスタッドの感触に平静を覚える男の猟奇さですら、屈服するしかない女の艶。
その艶の向こう側の、”彼ら”の、必ず”美”を携える残虐さ。
真しやかに人々に語られてきた、美と死と不死。

禍々しくも美しい赤の描写で、そんな彼らの世界を垣間見れる妖作。



教訓:魅力的だからと、知らない人についていってはいけません。