この手紙を7日以内に7人に回さないと……

誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?こんなイタズラ。
想いのこもったイタズラはやがて呪詛と化し意思を持つ。
そんな都市伝説めいた存在、『怪異』。それがこの物語の敵であり、最大の味方であり。
『それ』は美少年に擬した存在となり、優しくお人好しな主人公の少年とバディを組みます。

人外への想いを綴る作者様が描き出す怪異たち、それを二人で解決する。
連続するオムニバス形式で描かれる奇譚。
その特徴的な異端の力とホラブルな怪奇現象、これらを読者の予想外を衝く方法で解決し、そして謎を積み上げます。

そして本作の最大の魅力。
その背筋を撫でるようなホラー成分をそのままに、読後感を爽やかにで上塗りする人好きのする主人公と可愛いペット怪異(狼⇒犬)、その両極端が違和感なく味わえる構成にあると見ました。

それぞれの話は長すぎずに、綺麗に筋がまとめられて読みやすく。
読み応えのあるホラーにしてクスリと笑って締められる本作、平穏に倦んだときに読んでみてはいかがでしょうか。

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