どこの世界でも美味しい食べ物を作ればみんな喜んでくれる。

気が付いたら俺は見知らぬ土地に居た。ふと上を見ると――飛行機……ではなく。ドラゴン。竜が飛んでいた「あー、これは死ぬな」と思ったのだが――その後俺は奇跡的に近くの町の人に助けられた。
俺を助けてくれた人は食堂を経営していた。という……片腕の無いおっちゃんだった。
経営していた。というのは、今は店を閉めているからだった。
行く当てもない俺は――片腕の無いおっちゃんの手助けをすることにしたのだが――このおっちゃんヤバかった。いろいろやばかった。得体のしれないものしか作れなかったのだ。そりゃ潰れるわ。である。するとおっちゃんが急に俺に何か作ってみてくれと言いだして――。

これは異世界へと迷い込んだ俺が、助けてもらったお店にたった一つ名物を作っただけのお話である。

でもね。たった一つの事で――いろいろ変わるんだよ。