美しき大自然が牙を剥く。少年と霊狼たち、心を合わせて世界を救う冒険譚!

 カナダ極北で異常な天変地異に巻き込まれた少年、蒼仁(アオト)。
 父とはぐれユーコン川に呑み込まれた彼は、流れてきた白い狼犬の仔を守ろうと、胸に抱きしめた――。

 壮大で美しい極北の地に突如現れた「黒いオーロラ」という異変に巻き込まれ、天空の大精霊から特殊な役割を授けられた蒼仁は、受験勉強に明け暮れる小六の春に、再び同様の現象と狼の群れに襲われます。
 絶体絶命の異常事態を救ってくれたのは、少年とも少女ともつかぬ不思議な白いひと。その襲撃と出会いは、蒼仁の中にあった召喚能力を目覚めさせます。

 動物たちと人間の架け橋であるかのような蒼仁の存在が、脅威に瀕した世界を救う鍵となっていきます。彼自身は戦う能力を持ちませんが、襲撃者と戦う「霊狼」また「霊狼犬」に力を与えることができるのは、少年が授けられた召喚能力のみだからです。
 年相応の受験勉強という課題を抱えつつも、世界を救うために自身の力と向き合う蒼仁。彼を支える訳知りっぽい大人たちや若者たち、不思議なハムスターなど、個性的なキャラも必見です。
 人と動物が交錯する自然派ファンタジー、ぜひご一読ください。

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