【第一話から毎話連続ざまぁ】勇者?魔王?バグ技で叩き潰せばいいんだろw
底辺社畜の俺は、バグ満載RPGの三周目に死んで、ゲーム世界に転生した。それも魔族に焼かれる初期村のモブという最悪キャラに。死ぬのは嫌だ。バグ技を利用して好き勝手に生きることに決めたがなぜだろう、主人公のハーレム要員が、次々俺になびいてくるんだが。
「ねえモーブ、私たちふたりっきりで、これからどうするの」
「そうだなラン、まず村の倉庫で当面必要な物を調達だ。それからゆっくり、ふたりっきりでどう暮らしていくか考えようや」
「モーブって頼もしい」
「おいおい、抱き着いたら歩けないだろ」
「えへっ。ごめん」
……かわいいなあ、ラン。早くも俺にデレたメインヒロインと、俺はこの世界で人生をやり直すんだ。
何から何まで恵まれた主人公のヒーローは、勝手に王道を歩んで魔王を倒せばいい。俺は俺でのんびり気ままに暮らすわ。悪いな、お前の仲間、全部もらっちゃって。みんな、俺とまったりするほうが好きだってよ。
――これは、即死モブに転生しながらも人生を諦めず心のままに生きる男が、世界線をゴリゴリ変えていく物語。
●登場人物(第一部):
モーブ:底辺社畜がゲーム世界に転生した姿。ゲーム開発者の手抜きから「モブですぐ死ぬんだし、名前なんかモーブでいいだろ」と名付けられた悲惨なキャラ。貧乏な15歳の孤児設定。当然、開発者からは何の能力も与えられていない。
ラン:メインヒロイン。ゲーム内人気鉄板一位。ゲームでは、いずれ最強のヒーラーに育つ存在。貧乏な孤児。モーブに命を救われ、デレる。
ブレイズ:本来の主人公。モーブやランの幼馴染。剣術も魔法も万能。性格も良く、実家は村一番の金持ち。実は勇者の血筋。王立冒険者学園「ヘクトール」入試で卓越した成績を残し、SSS級のトップクラス「ドラゴン」に配属される。
マルグレーテ:「ヘクトール」SSSクラス。同期。モーブのバグ技を「特別な能力」と勘違いし、なにかと絡んでくる。地方貴族の娘で生来気位が高いが、タメ口で友達として扱うモーブに陥落する。ゲーム内では本来、ブレイズのハーレムパーティー要員。メイジ枠。
リーナさん:「ヘクトール」養護教諭。入試でモーブの謎の力を見て入学を許可し、なにかと助けてくれる。回復魔法と補助魔法の使い手。
じいさん先生:「ヘクトール」でモーブが配属された落ちこぼれ底辺クラス「Z」の担任。やる気皆無で、授業はすべて自習黙読。本人は授業中ずっと寝ている。
学園長:ハーフエルフ。かつての英雄。
いかづち丸/いなづま丸/スレイプニール/あかつき号:馬小屋の馬。モーブやランに世話されており、なついている。
ラオウ:Zクラス同級生。紋章マニア。本名は違うが、モーブが勝手にそう呼んでいる。
トルネコ:Zクラス同級生。小太りで実家が武器商。本名は違うが、モーブが勝手にそう呼んでいる。