この二人の軌跡はあなたを救うかも知れない

この物語は、自殺志願者の女性高生紬の死ぬまでにしたい100の項目に付き合わされることになった詩摘の視点で描かれています。彼自身も心に傷を持ち、生きることに積極的になれないのです。

二人は本当の気持ちを上手く表現できないまま、少しずつお互いの心に近付いていきます。そして、本当の「救い」を求めていくのです。

綱渡りのような心のふれあいや、触れたら壊れそうな繊細な心情を美しい文体で丁寧に描いています。ともすると軽々しさを感じてしまうかも知れない「命」を取り扱った物語が、すぐそこにあるもののように感じ、心に突き刺さるのは、作者の文章の力と、物語のテーマへの深い想いがあるからだと思います。

生きることが辛くなったとき、あなたを救う物語になるかも知れません。

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