モンマルトルの街歩きエッセイ、穏やかに紡がれるノスタルジー

フランス在住の作者様が案内してくださるのは、パリ18区にある坂の街、モンマルトル。
精緻に作り込まれた美術品のように美しく温かな文章が、様々な歴史や文化を内包したモンマルトルの眺めを、柔らかく丁寧に描き出しています。この地で活躍した画家たちを始めとした、多くの才能を持つ者たちを育んできた誠実さも。それらが脈々と現代に伝わることへの畏敬の念も。
穏やかな郷愁が伝わる読み心地には、本当に異国の地を旅しているような高揚感もじんわりとあって、幸せで贅沢な時間を過ごせました。とても好きなエッセイです。