終わった世界はどこに向かうのか

主人公のまりんが冒頭で殺されてしまい、十年後に目覚め、異能を獲得する展開がとてもスムーズで楽しかったです。
まりんは記憶が抜け落ちているようで、父の言葉も思い出せません。
また何故異能を獲得したのかという理由も分からないようになっています。
そういった謎の魅力がこの作品を輝かせています。
ミステリではありませんが、謎はあらゆる物語に適応できるので便利です。
そういった物語の構造も面白い。
凍った世界で炎の異能が手に入るというのも、世界との対立を明確にしていて、テーマをはっきりとさせています。
また、かつてまりんが救ったのと同じ火傷の痕を持つミリルの超然とした佇まいがさらなる魅力を醸し出しています。
ジャンルとしてはファンタジーだと思いますが様々な人に薦められる物語だと思いました。
ぜひ読んでみてください。

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