氷に覆われた地球で目覚めた極炎の少女と憑依者の少年は、世界救済の旅をする

作者 北条トキタ

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104人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

全て読んだうえでのレビューです。

作者様の売り文句の通り、約10万文字……文庫本1冊と同じ文字量で起承転結や伏線回収、シリアス、ギャグなどの物語として必要な点を鮮やかにこなしています。
文章も読みやすく、目が留まることはありません。また、わかりやすい設定というのも好感が持てます。
「小説の書き方」が乗っている書籍やwebサイトを見ても具体的にどうすれば……という時に読むといいかもしれません。
つまり、これから小説を書こう、どこかの賞に応募しよう、そう考えている人にお勧めの1作です。

★★ Very Good!!

問題提起(事件)があり二面性を持つ謎の少女(主人公)が序盤を盛り上げます。
気が弱いのに戦うときはーーという謎の二面性が徐々に加速し、え? これ10万字で終わるの? マジで? とハラハラさせられます。
ラストのまとめ方も好みでした。

★★★ Excellent!!!

 本作品でとにかく感じられるのは、圧倒的な世界観の描写です。使われている単語から連想されるのはもちろんのこと、緻密に巧みに構築された世界観からは圧倒的なまでの奥深さを味わうことができました。また、序盤の謎めいた展開から明かされる真実は想像もつかないようなものばかりで、各所にちりばめられた伏線の多さに驚くことでしょう。
 莫大な情報量と、それを見事にまとめた技量に感嘆しました。

★★★ Excellent!!!

主人公のまりんが冒頭で殺されてしまい、十年後に目覚め、異能を獲得する展開がとてもスムーズで楽しかったです。
まりんは記憶が抜け落ちているようで、父の言葉も思い出せません。
また何故異能を獲得したのかという理由も分からないようになっています。
そういった謎の魅力がこの作品を輝かせています。
ミステリではありませんが、謎はあらゆる物語に適応できるので便利です。
そういった物語の構造も面白い。
凍った世界で炎の異能が手に入るというのも、世界との対立を明確にしていて、テーマをはっきりとさせています。
また、かつてまりんが救ったのと同じ火傷の痕を持つミリルの超然とした佇まいがさらなる魅力を醸し出しています。
ジャンルとしてはファンタジーだと思いますが様々な人に薦められる物語だと思いました。
ぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

主人公は天真爛漫という四字熟語が似合うような少女で、最初こそどうなるかとヒヤヒヤしていたのですが、最後まで読み終えた時にはなぜかその性格に納得していました。
主人公や登場人物の考えていることがわざとらしく書かれているわけではないのにすっと入ってきて、読んでいて理解がしやすかったです。また、予想外なストーリー展開に驚かされました。
とても素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうこざいました。

★★★ Excellent!!!

冒頭からぐぐっと引き込まれ、最後まで一気に拝読。
ディストピアと化した世界。なのに一枚岩ではない国連軍、救済ボランティアと言う名のレジスタンス的勢力、米国の兵器会社、そして主人公を含む異能を持ったキャラクター……すべての世界観の構成が巧みに構成されていて、またそれが最後の仕掛けにもなっており、とても素晴らしかったです。
誰が敵か、誰が味方か、初めから終わりまで分からなくてハラハラしました。
また、主人公の能力の秘密や、敵方として登場した人物・カルジの正体などが終盤まで伏せられており、「ここぞ」と言うところで明らかに!
バトルシーンなども胸熱の展開で、濃いハリウッド映画を見た時のような充実感がありました。
文字でも迫力十分ですが、アニメやCGを使った実写など、映像で見たい作品でもあります。
拝読させていただきありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

一人の女の子として純粋に心は揺れ動き、時には戸惑い苦しむも、譲れない部分はしっかりとブレずに書ききった素晴らしい作品だと感じました。これだけの作品になるとどこか視点がブレてしまったり読み手が混乱してしまう錯誤が生じてしまいがちですが、『ここは譲れない』という作者の強い信念が伝わってきました。愚直に一生懸命頑張るその姿は、現代の若者に大きなエールとなることでしょう!改めてステキな作品をありがとうございました。これからも一緒に頑張りましょうね✨

★★★ Excellent!!!

この度は私の「読みます」企画に素敵な作品をご紹介頂き、本当にありがとうございました。
ただ、私はSFモノが苦手であまり読んだことがありませんでした。なので満足して頂けるような感想が書けていないかもしれません。ご理解下さい。

豊富な語彙力で読みやすく短い文章で綴られているのに、状況、状態、登場人物の心情などのほぼ全ての事柄が「完璧に理解できる」ように描写されていることに驚かされました。SFモノが苦手だと言うことを忘れて読み進めてしまう程の力を持つ作品でした。ストーリーも先が気になるので結局最後まで読んでしまいました!読者のことをきちんと意識されていて丁寧に描かれていると感じました。良く知っている現実の世界が舞台となっているので、現実に起こっているかのようにリアルに感じ、作品に入り込んでしまいました。主人公の東郷まりんの性格が良い意味で普通の女の子なので感情移入しやすかったです。登場人物全てにしっかりとした個性と背景があり「何故そうなったのか」「何故そのような行動をとるのか」と言う説明もぼかされる事なく読者に理解できるよう後々明かされたりするので先を読まずにはいられなくなりました。SFモノにあまり触れてこなかった自分でも、描かれている世界観を映画のように映像で頭の中に思い浮かべて楽しむ事ができる作品でした。求めていた恋愛モノとは違いますが読むことが出来て良かったと思わせてくれる作品でした!謎だった部分も全て回収のし忘れなど一切なくてスッキリとした気持ちで読み終える事が出来ました。私にSFモノも面白いのだと言うことを教えて下さる作品となりました。残酷な場面の描写が余計な比喩や余分な一文など一切なくて、個人的にとても好みでした!!

★★★ Excellent!!!

少ない文のかたまりでこんな適確に世界観が分かる文章を書かれている点が凄いと思いました。
また、ストーリーも現代から少し離れた世界観とマッチするように作られているので、ストーリーが進むうちに、より背景とこの世界における課題がイメージしやすくなっている気がしました。
そのお陰か、すごくすっと話が入って来て読みやすいです。

個人的に、ストーリーを進める文章と心理や世界観といった描写は別と考えていたので、ストーリーの展開でより世界観が際立っていくというのは、自分の中で新しい体験でした。

とても面白い作品だと思いました。

★★ Very Good!!


プロの支持を得ている、と仰られたように、複雑な文であっても不思議なほど読みやすいと感じました。言葉をしっかり選んで書き込んでいるんだなと素人の見方からでもすぐ伝わりました。

ざっとした文全体の印象は、描写も雑さが一切ないと言うか、順序正しく細かまで丁寧に仕上がってるという感じです。(素人ですいません💦)

物語の面では、世界観が遥か未来の地球という設定なので、より現実味があって、ドキドキする内容でした。

ただ、個人の話なのですが、今見たいと思ってた話とは少しジャンルが違っていたり、主人公の女の子があまり自分は好みでないと感じたので☆は2にさせて頂きました。けど1人1人の個性はしっかり出てるのでそこは凄く良いと思います。(あと、GLとかはあまり得意じゃなくて……すいません!!)

★★ Very Good!!

 困窮し、人々の欲望が表出し始めた世界。
 記憶が曖昧な状態で目覚めた主人公・まりんは欲望に満ちた男たち、そして、暴走する兵器会社の人々に追われる。
 そんな中、男の子と出会い、彼を守ろうと努力するも、殺されてしまう。彼を守れなかった無力感、そんな自分に怒りを覚える彼女がもう一度目を覚ますと、そこは雪が降り積もる一面の銀世界。
 そして、現れたのは巨大な怪物。

 主人公の怒りに呼応するように現れる不思議な炎。そして、助けにきた人々の中にいた女性・ミリルには、あの時助けられなかった男の子と同じようなあざがあって…。

 精緻な文体は荒廃した世界にとてもよく合っていて、没入感がある。そのため、主人公含め、その世界で生きている人々の輪郭をはっきりと脳内に描かせてくれます。

 加えて、主人公の記憶が曖昧であることが読者である私とも合致し、SFならではの退廃的な世界観に入り込んだような感覚を加速させてくれます。



 3章(5話読了時点)で「期待度」としてこのレビューを書いていますが、主人公の炎の秘密、“良い人”で終わらないミリル、そもそもどうしてこんな世界になってしまったのか…。
 まりんの“約束”としてよく出てくる父の存在も忘れてはいけませんね。どうしてまりんがその約束にこだわるのか、その過去は…?

 多くの謎が残るのですが、私の中でそれがきちんと「期待感」になっているのは、作者様の実力を文体から感じ取っているからでしょう。つまり、必ずそこに理由がある、と感じさせてくれているわけです。

 ネット小説にしては1話毎が長い方ですが、退屈を覚えることも、集中力が途切れることもありませんでした。そのことからも、特に文章力の高さが伺えました。

 まりんやミリルの不思議な能力、世界の秘密などを、主人公と一緒の目線で解明していく。
 圧倒的没入感と、それに伴う一体感を感じられる、… 続きを読む

★★ Very Good!!

寒冷化が進む地球で治安が悪化し、殺されたはずの主人公『東郷まりん』は、10年後の凍て付いた東京で目を覚ます。そこで目にしたのは炎を噴き出す自身の異能、魅力的な美女、そして東京を跋扈する巨大な怪物達……。何もかもが変化した終末世界で、まりんは父の姿を追い求めて生きていく――。

冒頭から主人公の死亡という強烈なシーンで始まり、目覚めた後の世界や状況においても謎が多く、オチが気になって最後まで一気に読み進めてしまいました。
作者さんも自らアピールポイントにしている確かな文章力によって、困惑したり読みにくさを感じることなく、ラストまでスラスラ読み切れた部分は素晴らしいの一言です。
謎の怪物『キャンサー』や異能者同士でのバトルシーンにおいても、その高い実力は遺憾無く発揮されています。迫力満点でありながらスピード感のある描写によって、終始ワクワクしながら楽しむことができました。

更に、過酷な状況の中でも逞しさや優しさを失わないまりんや、単なる『主人公に寄り添う優しいお姉さん』で終わらないミリルなどなど、魅力的なキャラクター達の個性も強く印象に残ります。
エピローグでは全ての謎が解明され、爽やかさや『温かさ』があり、総合的に高水準な技術でまとまっている良作だと思いました。

ただ、内容的には文句ナシなのですが、タイトルに『旅をする』とあったのに、あんまり旅要素を感じられないのだけは残念でした。
氷の東京から始まりの地・北海道を目指し、交通機関も死んでいるので寒さに凍えつつ歩き、まりんの炎で温まったり道中に出現するキャンサー達を倒しながら北上するのかな……。と予想や期待をしていたのですが、航空機で三時間で到着したので「旅とは……?」と正直思ってしまいました。もっとロードムービー的な内容かと思っていましたが、割りとバトルがメインでした。
しかしまりんが目覚めてからエンディングまでの一連… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

マリンをはじめとした登場人物たちが、全員魅力的です。
それぞれがそれぞれの思惑を持ち、その思惑を隠しながらストーリーは進行していきます。
その複雑に絡みあった思惑が表に現れる時、何度ハッとさせられたことでしょう。

登場人物の心情と過去と目的、それを的確に伝える文章力とストーリーの構成力には脱帽です。
特に戦闘描写は緊迫感がすごいです!

みなさんも、まりんたちの行く末の目撃者になってみてください!

★★★ Excellent!!!

作品の冒頭で描かれるのは、

暴徒と化した東京での惨状。私利私欲を満たすための犯罪が当たり前になった世界で、正義を振りかざしながら殺戮を楽しむ人間などがいる『人の手であっけなく命が散る世界』

少女が10年の眠りについていたのもこの暴動に巻き込まれた少年を命懸けで助け用途したことがきっかけで、

目を覚ました世界で描かれるのは、

人の気配が全くしない、意識を失う前とは全く違う雰囲気の凍てついた都会。
トカゲのような巨大生物が闊歩していて、規模を少なくしながらも生きながらえた人間達が『未知の生物の手であっけなく命が散る世界』

こんな舞台で描かれる作品なのですが、作品のアクセントになっているのが異能の要素。主人公は炎の力を宿して目覚めていて、未知の生物に対抗しうる存在として立場を確立するって感じ。

旅の要素が含まれる作品なので、同行メンバーも魅力的な人物が結構な頻度で入れ替わり、出会って共闘下と思えば、お互いの正義感のズレで対立したり、別れを経験したりなど、

10万文字としてはかなり多彩なシナリオが描かれた作品でした。

この作品の魅力としては、会話文の面白さの部分で、コミック媒体の作品のセリフのコマを読んでいるような自然な会話があって、

会話文だけで読んでも話の全貌は掴めるのかなってくらいには会話に重要な要素とかが詰まってて、完結まで楽しみながら読むことができました。

素敵な作品ですので是非一読のご検討を♪私の評価は✩3で入れさせていただきました。

★★★ Excellent!!!

舞台は崩壊寸前の世界。そんな世界で生きている東郷まりんという少女の物語。

一歩先の展開もまるで予想のつかない構成に、物語の中にのめり込みながら楽しませていただきました。
登場人物たちが頭の中で踊るような戦闘描写や、最後まで何が起こるか分からない心理戦。作者様の筆致冴えわたる作品だと思います。
ぜひご一読を!

★★★ Excellent!!!

設定がよく練られており、キャラもまた各々が魅力的でした。
物語の構成もよく考えられており、とても読み応えがあり、面白かったです!

強いて難点を挙げるとすれば、1話ごとの分量が多いこと。
文庫本のように栞を挟むことができないWeb小説では、もう少し1話ごとの分量を削ってみるのも良いのではないかと思いました。

★★★ Excellent!!!

まりんは少し鬱陶しいと感じる程のふにゃふにゃした喋り方が多い様に感じましたが、まぁ強いですね。
後、百合っていうんでしょうか?そういう展開のものは読んだ事が無いのですがそこまで違和感無く読む事ができました。

最後に一言、話の中で蜥蜴型のキャンサーというのがいましたが字面だけだとすごい変な感じでしたw