10年後の凍てついた世界で家族に会うために、少女が歩む旅のお話。

作品の冒頭で描かれるのは、

暴徒と化した東京での惨状。私利私欲を満たすための犯罪が当たり前になった世界で、正義を振りかざしながら殺戮を楽しむ人間などがいる『人の手であっけなく命が散る世界』

少女が10年の眠りについていたのもこの暴動に巻き込まれた少年を命懸けで助け用途したことがきっかけで、

目を覚ました世界で描かれるのは、

人の気配が全くしない、意識を失う前とは全く違う雰囲気の凍てついた都会。
トカゲのような巨大生物が闊歩していて、規模を少なくしながらも生きながらえた人間達が『未知の生物の手であっけなく命が散る世界』

こんな舞台で描かれる作品なのですが、作品のアクセントになっているのが異能の要素。主人公は炎の力を宿して目覚めていて、未知の生物に対抗しうる存在として立場を確立するって感じ。

旅の要素が含まれる作品なので、同行メンバーも魅力的な人物が結構な頻度で入れ替わり、出会って共闘下と思えば、お互いの正義感のズレで対立したり、別れを経験したりなど、

10万文字としてはかなり多彩なシナリオが描かれた作品でした。

この作品の魅力としては、会話文の面白さの部分で、コミック媒体の作品のセリフのコマを読んでいるような自然な会話があって、

会話文だけで読んでも話の全貌は掴めるのかなってくらいには会話に重要な要素とかが詰まってて、完結まで楽しみながら読むことができました。

素敵な作品ですので是非一読のご検討を♪私の評価は✩3で入れさせていただきました。

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