美しい世界観からじっとりと迫りくる恐怖――
- ★★★ Excellent!!!
ジャパニーズホラーとしての恐怖と美しい日本の色とりどりの景色が織りなすホラー作品です。
圧倒的な筆力で描かれる丁寧な情景描写はまさに作者様の文章力の高さ故の物語です。
物語の主人公は、江洲楓。学校の非常勤講師として働いています。ある日、卒業生の久繰里あかりから「おねえちゃんが」が行方不明になったと相談を受けます。怯える彼女の相談を受けながらも不気味に感じる主人公。その時に預かったカラス玉――これが物語の鍵となります。
ある晩、久繰里あかりが突如として自宅に現れます。同居している竹園灰と共に彼女を自宅に送り届け――
魅力的な主人公たちがそれぞれの価値観や考え方を持ちながらカラス玉と、おねえちゃんの謎を解明すべく恐怖へとゆっくり向かっていきます。
後半から視点が切り替わる展開は秀逸です。読者を物語の世界に引きずり込みながら、新たな世界観の幕開けでした!!
ひたひたと、じっくり迫りくる恐怖はまさにジャパニーズホラーの真骨頂!
ぜひご一読下さい!