主人公、敷島瑠璃が見つけた一枚の写真。全てはそこから始まった。
写真に写っているのは、彼女の小学校時代の友人である一人の女性である。
だが、その写真にはひどく奇妙な点が一つだけあった。
どう考えてもおかしい写真に映るかつての友人に強烈な死の匂いを感じた瑠璃は、
オカルト好きの親友である凛子と共に、その写真の現場である宿へと訪れる。
宿で語られた「自分たちのために語られた」かのような怪談、瞼の裏を焼く奇妙な幻影、凛子の口から出た「クチナシ様」という存在。
一つ一つの事象が積み重なり、不気味な幻想となり現実へと牙を剥いていく様は恐ろしくも目が離せません。
また、本作はホラーでありながらミステリとしての一面も持つのも魅力の一つです。
ホラーが好きな方は是非とも「最後まで」読んで、余韻に浸るのも良いかもしれません。
ホラーミステリーの大作、今期のカクコンで最も推している作品です。
旅館の一室に佇む元同級生の不気味な写真。そこから全てが始まります。
主人公の瑠璃は、友人・凛子を連れて心霊写真の舞台となった旅館へ向かいます。そこで、自殺願望をもって旅館を訪れる人たちが決まって身を投げる崖があることを知ります。夜も更けた頃、2人はその崖へ行ってみることにしますが……。
とにかく面白い。
そして非常に読みやすいです。
一話目から惹きこまれ、時間も忘れて読み耽ってしまいます。
「神は細部に宿る」という言葉を実感させられます。
練り上げられた鉄壁の設定、建造物や風景の細やかな描写、そこで織りなされる人情の機微。
どれをとっても唸らされます。これがアマチュアひとりの手で書かれているなんて、驚きとしか言えません。
ホラーミステリーが好きな方なら絶対にハマる作品です。
物語の始まりは、主人公の敷島瑠璃が親友の凛子と共に行方不明になった友人を探すところから始まります。
行方不明になった友人の朋絵はとある旅館で写真を撮影していました。その写真には恐ろしい事実が隠されています。二人は朋絵の痕跡を追いその旅館へと向かいますが……。
第一章では、物語の始まりが丁寧に語られ、多くの謎と衝撃的な展開からスタートします。もちろん、怖いシーンも満載。ゾクゾクしながら読み進めました。
第二章では、謎を解くために大きく物語が動き出します。物語のキーとなるクチナシ様とは一体なんなのか?
卓越した筆力で更にぐいぐいと引き込まれます。
読み始めたら、もう読む手はとまりません。夢中になって、謎と恐怖の世界へと足を踏み入れること間違いなしです。
これからどんな謎が解き明かされ、どんな結末へと向かうのか……楽しみでなりません。
是非ご一読下さい!