その怪異は誰がために語られる

主人公、敷島瑠璃が見つけた一枚の写真。全てはそこから始まった。
写真に写っているのは、彼女の小学校時代の友人である一人の女性である。
だが、その写真にはひどく奇妙な点が一つだけあった。
どう考えてもおかしい写真に映るかつての友人に強烈な死の匂いを感じた瑠璃は、
オカルト好きの親友である凛子と共に、その写真の現場である宿へと訪れる。
宿で語られた「自分たちのために語られた」かのような怪談、瞼の裏を焼く奇妙な幻影、凛子の口から出た「クチナシ様」という存在。

一つ一つの事象が積み重なり、不気味な幻想となり現実へと牙を剥いていく様は恐ろしくも目が離せません。
また、本作はホラーでありながらミステリとしての一面も持つのも魅力の一つです。
ホラーが好きな方は是非とも「最後まで」読んで、余韻に浸るのも良いかもしれません。

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