究極の自己責任。

 オムニバムという形式は本でもテレビでも珍しくはなく、それこそ季節が変わるごとにフジテレビ系で放送される、あの音楽とサングラスが特徴的なドラマを感じてしまうのですが、この物語は、読めば読む程、そのドラマの真似ではない事を感じさせられます。

 日本ではどうしても前述のドラマが強いのですが、日本で放送された同種のドラマでも、ヒッチコック劇場、オーソン・ウェルズ劇場、予期せぬ出来事、悪魔の手探り、百万ドル奇談、ナイトギャラリー、トワイライトゾーンと世界には有名なものが溢れています。

 この物語は、これら歴史的といっていいオムニバスドラムに並べられて語られる日が来る…そう感じさせられるポテンシャルを感じさせられます。

 それぞれの物語の中心に患者が据えられ、固定されている登場人物である嫌われ者の脳外科医は、その素性がほぼほぼ明かされていない点に、物語の芯が見えると思わされました。

 

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