【怪作!】令和の時代に生まれた和製デヴィット・リンチ

クリエイターにとって、誰かや何かの作品になぞらえて評されるのは、あまり本意ではないと思われます。しかし、それでもこう言わざる得ませんでした。

なにせ、分かり難い! でも、面白い!

はっきり言って、お子様お断りの硬派な世界観です。
多少のエログロもありますが、この作品の魅力は何と言っても「不条理」です。

あまり引き出しの多い人間ではなく恐縮ですが、自分はこの作品を読んで、昔観た映画の『マルホランド・ドライブ』を彷彿としてしまいました。
それに類する作品を観たことがあって、そういった「不条理さ」に魅せられた経験があるかたなら、間違いなく本作も気に入ると思います。

とにかく直近の描写からは全く説明の付かない不気味な不条理さが次々に襲って来るのです。
中にはそれで置いてけぼりに感じるかたも、いらっしゃるかもしれませんが、自分の場合は「うぉー、これどうやって収束するんだー!?」という膨らむ想像と、高揚感に身を任せる麻薬のような体験がとてもツボにハマりました。

こういう大人な作品を読みたかった。
同じようなかた、絶対いるでしょ? 是非この作品を読みましょう。
そして一緒に頭を悩ませましょう。

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