無数に散らばる呪詛が収束する

最後まで読ませて頂きました!

本作はその全ての構成要素が緻密に組み立てられており、それこそどこを話してもネタバレの嵐みたいなことになるので詳細については控えます。

ですがまるでミステリーかと見紛うばかりの緻密な構成と伏線。そしてその回収に至るまでの流れこそが本作の醍醐味であり、さらにはその過程全てにおいて、怪異という人知の及ばぬ存在を絡ませている作劇の妙は特筆に値します。

単なるホラー物という枠を超えた読み物としてのクオリティの高さを追求し、娯楽作品としての楽しさをひたすらに盛り込んだ作品と言えるのではないでしょうか。

冒頭の深淵に放り込まれたかのような手がかりの少なさと、後半にかけての闇に光が射すような解答の提示の流れは改めて思い返しても見事でした。

ホラージャンルが好きな方だけでなく、単純に物語を読むことが好きな方にも自信をもってお勧め出来ます。ぜひご覧になってみて下さい。

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