変わるもの

他の方が既にレビューで触れている通り、構成要素が緻密に組まれており、山場での盛り上がりも素晴らしく、とても面白いです。

さて、「ひとこと紹介」でも触れましたが、作品を読み終えて、私は「変わること」がテーマなのだろうか、と感じました。
過去に特異な経験をし、今も経験し続けている主人公やその周囲の関係・環境。
無数の怪談や伝承が、場所を変えたり時代を経ることによって変化していったこと。

『文化というのは混じるし、歪む』という作中の台詞は、まさしくその通りなのだろうと。

レビューというよりは感想のようになってしまいましたが、最後に一つだけ。

今作に出てくるこの世ならざるものたちは、恐るべきもの、助けてくれる有難いもの、どちらにせよよく分からないものだからこそ、形が変わっていてもその事に勘づけないのかもしれませんね……。

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