えっちなビデオ通話

 先輩のぬくもりを感じながら、俺はホカホカの状態で帰宅。まだ先輩のタイツから体温を感じるような気がしていた。



 自室へ戻り、親に見つからないよう厳重に保管。その後、風呂やら飯やら済ませ――自室でくつろいでいると『ライン』が入った。しかもビデオ通話!



「先輩だ……はい、もしもし」

『お風呂からだよ~』

「うわッ! 先輩、裸じゃないっすか」

『大丈夫。バスタオルは巻いてるから』



 確かに肝心な部分は見えていないけど、谷間は見えていた。超特盛である。



「せ、先輩……かなり刺激が強いっす」

『いっぱい見てね』


「もう既にガン見ですよ……」

『うんうん、素直でよろしい。それでね、鐘くん』

「な、なんでしょう」


『金髪の子とは何もないよね』

「転校生の明石あかしですか、何もないですよ」

『本当に?』

「本当に本当に。俺は、先輩一筋です」



 そう断言すると、先輩は嬉しそうに笑いカメラを胸元にアップ。凄い距離になっていた。……こ、これはスクショしないと!



『明日の朝、迎えに行っていいかな』

「良いですけど」

『どうしても話したい事があるから』

「分かりました。待っていますね」

『うん。じゃあ、またね。おやすみなさい』

「おやすみなさい」



 通話が切れ、俺はしばらく沈黙していた。


 ……先輩、可愛かったなぁ。



 ◆



 ――翌朝。



 学ランに着替え、朝食を済ませた。

 身嗜みだしなみを改めて完璧にして玄関へ向かった。そろそろ先輩が来る頃合いだ。



 外で出ると、そこには……。



「あれ、明石」

「おはよ、小野寺くん」



 なぜ転校生が――明石がいるんだ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る