概要
体を包む熱、服がこすれ合う感触、肌を撫でる風。電柱を照り付ける夕日、長く伸びた影、
闇に染まっていく空。そのすべてが調和したこの平凡な世界に、自分という人間は存在する。
今日も何事も無く、家へ帰り、風呂に入って、飯を食べて、寝るのだろう。
それは、もう決まりきったことだ。だから、今日という日が何か特別な意味を持っているというわけではない。たぶん明日だって、明後日だって、一か月後だって、一年後、三年後だって、自分を取り囲む環境や状況は変わったとしても、本質は変わることは無いと思う。それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。ただ、この世界が、そういう風に出来ているだけのことだ。そんなこと、当たり前で、何気ない普
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- ★★ Very Good!!日常か?絶望か?醒めぬ胡蝶の夢は続く……
物語は学生であろう主人公が異世界で目覚めたかのように始まる。と、思いきや暫くすると目が醒めると学校の教室。まるでマイケル・ムアコックのエレコーゼ・サーガのようだ。良くある展開だ。
けど、待って欲しい。他の物語のように主人公が主人格である確証はない。それどころか怪しげな人物達が導こうと接触してくる。
その人物達は俺を信じろとばかり接触してくるが、主人公に何か授けるわけでもない。主人公は普通の少年で、強力な敵と対峙した時には足でまといなるような状態なのに……
また仲間も派手な魔法でドカンと一発という描写はない。むしろ仲間を盾で守ったりと地味な方だ。盾が耐久以上の衝撃を受けて壊れるようなリア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常を踏み外した世界のその先で、俺は一人の少女に出会った。
異世界で記憶をなくしたまま覚醒した主人公が、魔物を相手に剣を振るう。何故ここにいるのか、どうして戦っているのか分からないまま、主人公は仲間の助けを借りながら、何とか勝利した。
しかし、主人公が次に覚醒したのは、現代日本の高校だった。主人公は絵が巧い普通の男子高校生で、異世界の仲間と同じ名前の友人たちと、日常生活を送っていた。しかし、主人公が眠りに落ちると、魂だけの存在となり、ある者から異世界での指示を受けることになる。
再び主人公が目覚めたのは、異世界だった。主人公は指示された通り、魔物と戦った場所から離れた遺跡にたどり着く。しかしその遺跡で主人公は一人仲間からはぐれて、一人の少女と出…続きを読む - ★★★ Excellent!!!失われた記憶の向こうにある大切なものを探して
夢の中にいるかのような始まり。手を伸ばしても掴めない少女の存在が消えるときユウトは目覚める。
目の前には知っているようで知らない仲間たち。なぜか自分は剣士の恰好をしていて、悪鬼なる化物を討伐すると言われる。理解もせず向かう先で起こるイレギュラー。
そして勇士は目覚める。学校の教室で……
二つの世界を行き来し、徐々に明らかになる事実と、増えていく謎のバランスが絶妙で続きがとても気になります。勇士の世界は私たちの世界に近いので想像しやすいですが、ユウトの異世界側も記憶が曖昧なユウトが探り探りで進めてくれるので、世界の様子が想像しやすかったです。
戦闘描写も丁寧で、特に集団戦における戦闘では誰が…続きを読む