声の大きい人ほど無視している大切な事がここに…

　キャッチコピーにせよ、タイトルにせよ、これを見て「近頃、声高に叫ばれて、食傷気味な社会問題か」と思う人にこそ読んで欲しい物語です。

　女性が、男性が、というのではなく、現代の社会人として求められる姿勢があると感じるはずだからです。

　男女共に考え方、主張があり、完全に間違っていると断言できる事なんてものは極々少数で、自分の主観だけでモノをいって相手の意見を断じるのは乱暴なのだと思わされます。

　相手の意見の長所を見つけ、自分の意見の短所を見つけ、互いに互いを補ってよりよい意見を導き出す事こそが今の世の中に必要なものなのだ、と。

　どちらの意見がベースにある、根底はどっちだというような主導権争いが、実は幼稚であると気付ける物語というのは、実に爽快で、実に温かいです。