しば桜が見守る 人々の愛とたくましさ

 母娘三代にわたる、それぞれの人生が描かれていきます。
『生きる』と一言で言いますが、それは予想もできないことの連続です。
 
 思うようにならない日々の中、追い打ちをかけるように起こる悲劇。
 自然災害、悪意による人災。どちらにも、人を絶望に突き落とす狂気があります。
 どん底をのたうち回る苦しみの中でも、わずかな光を求めて這い上がる姿に、力強さと勇気をもらいました。

 また、恋に、出産に、介護にと人生の節目の度に揺れ動く感情も赤裸々に描かれています。
 
 でも、どんな自分をも自分で受け入れて、周りの人を大切に思う心こそが、真の愛なのだろうなと、感じました。
 辛くても読み進めた先に光が見えるとても重厚な作品、お勧めです。

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