家族の幸せはしば桜とともに。そうして私たちはこれからも生きていく。

わたしはいすみさんの奥ゆかしい文章がとても好きで今回のカクヨムコン作品もとても楽しみに拝読しました。
テンポよく重ねられていく会話、ハッとさせるような地の文、宝石のように散りばめられた言葉の美しさ、とてもお見事で「ああ、やっぱりいいなあ」と感銘しています。

冒頭に少し触れますと、生原家の祖父母の関東大震災の出会いから始まります。
二人の間にさくらさんが生まれ、やがて孫の櫻絵さん(主人公)が生まれ、脈々と引き継がれる一家の歴史をしば桜は見守ってきました。
人生楽しいことばかりではないです。笑っていられないとき、悲しみに押しつぶされそうなとき、しば桜はそっと寄り添い櫻絵さんを励ますのです……

『愛』って言葉にすると照れくさいものですけれど、この作品を拝読して素直に言えるのは愛は素晴らしいものだということです。夫婦の愛、親子の愛、家族の愛。櫻絵さん自身が迷いながらも言葉を荒げながらもまっすぐでチャーミングな愛情を持って生きてこられたのではないかなと、だからこそ大きなものを読者の心に残すのだと感じています。そうなんです、櫻絵さんとても可愛い方なのですよ。
するすると読めて読みやすいですし、とてもいい作品だと感じていますので、多くの方におすすめしたいです。
親子三代にわたる家族の物語、ぜひ読まれてはいかがでしょう(*´ω`*)

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