彼女が辿る人生を、しば桜はどんなときも優しく見つめ、語りかけるのです。

大切なしば桜たちに語りかける主人公、櫻絵。
彼女の祖母の代から語られる女たちの人生は、誰もが激動の時代を懸命に生きてきた証。
櫻絵もまた、人の愛や裏切りに翻弄されながら、しば桜たちとともに一歩一歩を踏み出して生きてゆく。

素朴で優しい文章ながら、語られる彼女たちのドラマの深さには思わず唸らされます。
美しい言葉、可愛らしい言い回しなどが、櫻絵の素顔を生き生きと引き立てています。
決して派手さのない設定ながら、読むごとにどんどん惹きこまれてしまう、その筆力はどこをとっても見事としか言いようがありません。

櫻絵の生き方を、心から応援したくなります。しば桜のように。

深い人生を謳うドラマをお探しの方、ぜひこちらをお手に取ってみてください。

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