概要
剣に生涯を懸けた凡人と、それを嘲笑うかのような天才。 戦いの結末は―
秘太刀“斬壺(きりつぼ)”。
その技を以て、老剣客はかつて岩を斬り、壺を斬った――割ることも砕くこともなく、真二つに――。
ただしそれができたのは、若き日のたった二度だけ。
そして今。辛苦の末に流派を継いだ彼が対峙するのは、剣才そのもののような少年。それはまるで、老剣客の積み上げたもの全てを嘲笑うかのような存在。
もし、奴を斬ることができる技があるなら――それは一つ、“斬壺”。
凡人対天才。
今、その戦いが始まり、そして終わる――。
その技を以て、老剣客はかつて岩を斬り、壺を斬った――割ることも砕くこともなく、真二つに――。
ただしそれができたのは、若き日のたった二度だけ。
そして今。辛苦の末に流派を継いだ彼が対峙するのは、剣才そのもののような少年。それはまるで、老剣客の積み上げたもの全てを嘲笑うかのような存在。
もし、奴を斬ることができる技があるなら――それは一つ、“斬壺”。
凡人対天才。
今、その戦いが始まり、そして終わる――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一点の竹細工のような小品
八島剛佐―才能には恵まれなかったが血の出るような努力の末、流派の奥義「斬壺」を再現し、八島払心流宗家の位を手に入れた武士。しかし、名も無い刀狩りの童に打ち負かされ、刀を奪われてしまいます。
竹を小刀で割っていくような、すい、すすいと進む文章が心地良く読めます。剛佐の硬骨な剣術への探求と、それゆえの童に対しての闘争心がつぶさに、しかし、熱くならず清廉な空気の中に描かれていきます。同じ文体が技の記述にも活かされて、力が足元から腕先にまで渡って行く様子、柄を握る手の動きに、剣の心得がなくとも刀筋がわかる気がします。
剛佐と童は再び剣を交えることになり、剛佐はそれに「斬壺」をもって立ち向かいます…続きを読む