第七回・実際に作れ② ~詩語表を使いこなせ(前)
はい、それでは第七回、いってみましょ~~~~(アールさん風に)
前回の最後に紹介した詩語表ですが、これと漢和辞典の二つを駆使して漢詩を作っていくのが、実は正法です。
詩語表とはなんじゃらほい。
これ、要は漢詩を作るときによく使われる詩語――つまり二字熟語と三字熟語がずらーっと列挙されてるんですよ。もちろん平仄音と韻別に。
で、じゃあそんな便利ツールどこにあるの、といいますと、普通の書店には置いてません。私が参考にした漢詩ハウツーサイトによると、実物が手元に欲しくば〇〇出版まで電話しろと書かれてました。いやーん。難易度たっっっか。
ただ、当然私そこまではしてません。
そこまでしなくとも、我々日本人には『国立国会図書館デジタルライブラリー』というゲートオブバビロンが与えられているからです。
もし、パソコン画面でこれを読んでくださっているようであれば、別タブを開いて、yahooなりgoogleなりで『近世詩語玉屑』と検索してください。おそらくトップに上巻が出てくるはずです。
クリックしましょう。大丈夫、無料です。
……
…………
さあ、開きましたか?
おそらく、2,3ページめくったところで、九割五分の方が「あ……(察し)」となってタブを閉じたかと思います。
格闘ゲーム初心者が長尺目押しコンボやヒット確認の仕組みを聞いて、「え、それができなきゃ対人戦勝てないならもういいや……」ってなるように、
「え、これ読まなきゃ漢詩作れないならもういいや……」ってなったと思います。私もなりかけました。
ただ!
ここが踏ん張りどころです!
この『近世詩語玉屑』、いくつか存在する詩語表のうちの一つなんですが、見た目ほど難しくないです。むしろ使い方が分かればめっっっちゃくちゃ便利です。
色んな詩語が春夏秋冬みたいなテーマごとにコーナーを作って列挙されてて、ちゃんと発音もわかるようになってます。もちろんテーマ内容も便利なんですけど、一番便利なのが最後の雑部のコーナーです。これは後で紹介しますが、とにかく使い方を解説させてください。
大丈夫、怖くないよ~。
漢字は友達。
漢詩って楽しいよね。一緒に楽しもうよ♪
はい。
もう一度開いてください、『近世詩語玉屑』
まず8ページまで飛ばしましょう。そこまではただの序文(読めませんw)と目次です。
では、8ページの左側、ここから詩句が載ってます。
ずらーーーーーっと載ってます。
そして、その欄の上に『平平』という文字があります。
次ページに行きましょう。
さっき『平平』と書いていたように、『仄平』『仄仄』『平仄』『庚』と記してあります。
これが韻の表記なんです。
『平平』のところに載ってる二字熟語はどちらも平韻ですよ、とそう言ってるわけですな。同じように『仄仄』だったらどっちも仄韻です。
なので『仄平』『平仄』はどっちかが仄でどっちかが平なんですが。
なんですが。
さあ、どっちがどっちでしょーか?
白状しましょう。
私、最初間違えました。
『仄平』って書いてるんだから、一字目が仄、二字目が平のはず。
つまり『風暖』は『仄平』だ。
ぶっぶっぶー! ですわ!!
縦書きで書いてるんだから右から左に読むんですわ! 当たり前ですわよ!
『仄平』って書いてあったら一字目が平で二字目が仄!
みなさん、間違えないでくださいまし!
はい。
なんで私が一篇の詩を作るのに丸二日かかったかおわかりでしょうか。
そうなんです。最初、これを完全に逆にして作ってしまい、丸々一篇作り終えた後で気づいたんです。お前なにが国語5以外取ったことないだよふざけんなよ。
……この時点で観念し、私は漢和辞典を買い求めました。
というわけで、第七回『ダイアちゃんって普通に漢詩とか読めそうですよね』でした!
次回、後編に続きます。
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