第十二回・実際に作れ⑦ ~今度こそ後ろから作れ
十二回です!
前回、起句と承句を作りました。
この調子で転句と結句を作っていくわけですが、ここで私は新たな問題に直面しました。
私が今まで詩句を浚っていた箇所って、『近世詩語玉屑・上』の春の部だったんですよ。そうすると情景描写に必要な単語は豊富に揃ってるんですが、内面的な描写をしようと思うと全然該当する単語がないんです。
んん?
これ、どうすればええのん?
答えは下巻にありました。
上巻が春と夏なんですけど、下巻は秋と冬と雑部に分かれてたんです。
そう、雑部。
言い方があんまりですが、例えば『懐古』とか『美人』とか『賀新婚』みたいなものと、最後に『通用』っていうのがあったんです。これ、要は季節とか状況とかそういうのを問わずに使える語句が集められてたんですね。例えば『所以』とか『不得』とか『何知』とか、汎用性の高いものがずらーーーーっと並んでたんです。なんでもっと早く気付かなかった、自分……。
というわけで、せっかく見つけてしまったものですから活用しました。
そしてできたのが、こちら。
『
この子を結句にしましょう!
『玉屑』っていうのは、詩句の中の優れた言い回し、みたいな意味だそうですので、カクヨム的にもぴったりじゃないですか。
いいじゃない。いいじゃない。
そして。
あとは起句承句と結句を繋げるような転句を作ればいいわけです。
転句の末三字はもう轉句の欄から選べばいいので選択肢はいっぱいあります。ありすぎて困るくらいあります。
ただ、この『起句承句と結句』を繋げる、っていうのがポイントでして。
七言絶句のテクニックの一つとして、承句の末三字を、後半と関連付けると宜しいっていうのがあるんです。
『啼鳥来』
これを転句結句と関連付けるわけです。
………………どうやって??
私、悩みました。
大分悩みました。
かなり悩みました。
ここが一番悩みました。
そしてこの一語を見つけたわけです。
『無客至』――客人が来ることもない。
どうですか!?
鳥は来るけど客は来ねえ! みたいな!
まさに閑古鳥ですな!
ここまで来れば後は難しくありませんでした。
良い文章を求めて悩んでる人が、客が来ない、と言ってるわけですから――。
『未得名声』――いまだに名声を得られない。
さあ!
おいでませ、最後の一句。
『
じゃじゃーん。
でーきーたー!!!
できたぞーーーーー!!!!
終了!!!!!
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