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概要
残酷で不安な世界を生きるためのユーモア
「二〇一九年、メキシコでは麻薬戦争で三万五千人が死んだ。十万人あたり三十人弱が死んでいる計算だ。対して、二〇一九年、日本では自殺で二万人が死んだ。十万人あたり十六人弱が死んでいる計算だ。メキシコの半分だな。安全な国だぜ。安全な国だよな? 自殺は殺人じゃない。大抵の場合、罪人たる犯人はいない。そうだろ? 自殺は誰も悪い人がいない事案さ。そういうことになっている。そういうことにしてるんだ。十万人あたり何人かの犠牲者、ってのは実に安全で平和な論法だよな。」
男は自殺寸前の人間(私たち)に語り続ける。
男の語るエピソードそれ自体はどうしようもなく悲惨とも言えるものだが、その語り口には閉塞感にまみれた現代を生きるためのユーモアがある。
※11月23日の文学フリマ東京でこの作品を載せた『Alt + 』
男は自殺寸前の人間(私たち)に語り続ける。
男の語るエピソードそれ自体はどうしようもなく悲惨とも言えるものだが、その語り口には閉塞感にまみれた現代を生きるためのユーモアがある。
※11月23日の文学フリマ東京でこの作品を載せた『Alt + 』
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