わたしは赤いきつねがきらいだ

作者 北溜

崩れそうな積み木を家族みんなで少しずつ整えていこうとした哀と愛のお話☆

  • ★★★ Excellent!!!

心を鍛えるには一人ではできない。必ず誰かが向き合っていないと、強く優しい心のあり様は形成されないものだと思う。そして、向き合う相手が変わった時、当事者同士の第一印象がその後の人生を大きく変えていくこととなる。

作中の主人公は、何事も新しいものを素直に受け入れることに抵抗を抱いてしまう微妙なお年頃。ましてや、その変化が想像を超えたものであったら尚更のこと。とことん突っぱねることのできない立場なのがポイントで、この変化をどう受け入れて自分の人生の糧とするかがカギとなっている。一歩間違えれば、積み上げてきたものが一気に崩れかねない状況と環境の中、主人公とその家族は奇妙なルーティンで崩れそうな部分を少しずつ整えていった。そこに登場したアイテムが「赤いきつね」である。

赤いきつねが嫌いだと言い張る主人公。
その理由は「哀」や「愛」を越えた「慈愛」にある。是非とも、しっかりと出汁の効いた「滋味」を堪能していただきたい☆

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★★★ Excellent!!!

 本当にカッコいい。生き方は不器用で見た目も今一つなんだけど……家族を想いどこまでも誠と愛を貫くその姿勢は、今の時代だと考えられないほど貴重で美しいものです。
 突然再婚した母。家にやってきた新しい… 続きを読む

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