絢爛豪華で悍ましい邪教の本懐!
- ★★★ Excellent!!!
神道や仏教のみならず海外の信仰まで混ぜ込んだ複合体の信仰、毒々しい赤を想像させる絢爛豪華な香華と腐臭漂う調度、死も性も惜しみなく使うおぞましさ。
比喩のひとつひとつまで猟奇的なのにただの露悪で終わらないのは、作者様の確かな知識と緻密な雰囲気作りがあるから。
死者蘇生の邪教に囚われた三人の生々しい焦燥と次々に追い詰められる展開は息もつかせない。何より洗脳の手練手管に呑み込まれる様は暴走する車の助手席に括りつけられて、運転手に叫びは届かないまま衝突までの秒読みを見せられるようなカルトに立ち向かう絶望感がすごい。
アジアの邪教らしいシャリンキエと、昭和のバイオレンスもののような外連味、男ふたりの因果が因果を呼ぶ戦いの果てがとても楽しみな珠玉の作品です。