他の何よりも、誰よりも……お前がいい。 成川 阿貴
豊富な知識を持つ彩流 依は、国に属する正式な陰陽師の家系である、紫条 蓮と共に、蓮につく式神を求めてある山中に入った。その山は神と仏が併存する場所。険しい道を進み、頂上へと向かう中、依が足を滑らせ落下した。依の体を朽ちた木の幹が突き抜け、死を覚悟していたが、蓮の呪力で死を免れる。
依の体を突き抜けていたのは、その地に祀られた『依代』だった。
落ちた場所に覚えのある依は、蓮の言葉を聞きながら、蓮との出会いを思い出す。
『他の何よりも……誰よりも、依。お前がいい』
依と蓮が山に行ってから、少しずつも状況が変わっていく。
蓮の父親である総代が、ある仏の像を他の寺院に移していた。
仏の像を移した場所は、依と蓮と親交の深い、藤兼家の寺院だった。
蓮は自分のところから移された仏の像がなんだったかに気づくと、何が起こり始めているのかを察し、寺院の息子である藤兼 羽矢に協力を求める。
『冥府の番人、藤兼 羽矢。別名、死神。その門を開けてくれ』
死者の魂が閻王に裁かれる日、冥府に導いた魂が消えていた。羽矢は、魂が奪われている原因を察し、閻王に奈落への立ち入りの許可を得て依たちと共に河原に向かう。
河原には舟守がいたが、その舟守は霊園で見掛けた神司だった。
依たちは、冥府から魂が消えるのは神司が関わっていると、神司の行方を探す。
神司を追って辿り着いた神社の木には、釘を打ち込まれた人形《ひとかた》が無数にあった。
『ここは常夜……夜だけの神の場所。呪いの神社だ』
次々と冥府から魂が消え、行方を追う依たちは、神司の企みが何であるかを知る。
そしてその理由は、蓮と登った山に繋がっていた。…続きを読む
目次
連載中 全103話
更新
- プロローグ
- 我が器
- 第一章 神と仏
- 第1話 併存
- 第2話 試練
- 第3話 依代
- 第4話 束縛
- 第5話 分離
- 第6話 死神
- 第7話 領域
- 第8話 無明
- 第9話 正体
- 第10話 人神
- 第11話 隙間
- 第12話 総代
- 第13話 近道
- 第14話 間口
- 第15話 不足
- 第16話 処断
- 第17話 化身
- 第18話 神司
- 第19話 閻王
- 第20話 舟守
- 第21話 六内
- 第22話 常夜
- 第23話 怨念
- 第24話 侵害
- 第25話 呪詛
- 第26話 境地
- 第27話 結界
- 第28話 廃仏
- 第29話 再起
- 第30話 荒魂
- 第31話 邪神
- 第32話 闘諍
- 第33話 救済
- 第34話 欲界
- 第35話 鬼神
- 第36話 感覚
- 第37話 六識
- 第二章 道と界
- 第1話 連携
- 第2話 無闇
- 第3話 主従
- 第4話 相対
- 第5話 境界
- 第6話 鬼籍
- 第7話 理由
- 第8話 呪殺
- 第9話 神域
- 第10話 混淆
- 第11話 証明
- 第12話 意向
- 第13話 六外
- 第14話 相即
- 第15話 真偽
- 第16話 還俗
- 第17話 改称
- 第18話 神体
- 第19話 験者
- 第20話 回向
- 第21話 調和
- 第22話 変化
- 第23話 磐座
- 第24話 和魂
- 第25話 因果
- 第26話 悪人
- 第27話 正機
- 第28話 単一
- 第29話 教令
- 第30話 自性
- 第31話 還相
- 第32話 無量
- 第33話 中道
- 第34話 不二
- 第三章 天と地
- 第1話 天女
- 第2話 法身
- 第3話 固有
- 第4話 開闢
- 第5話 御霊
- 第6話 神世
- 第7話 護法
- 第8話 秘密
- 第9話 諷誦
- 第10話 折伏
- 第11話 問答
- 第12話 秘術
- 第13話 煩慮
- 第14話 梵我
- 第15話 所在
- 第16話 聖王
- 第17話 合祀
- 第18話 他界
- 第19話 多神
- 第20話 祭祀
- 第21話 成仏
- 第22話 霊廟
- 第23話 汎神
- 第24話 強剛
- 第25話 秘仏
- 第26話 密厳
- 第27話 秘鍵
- 第28話 鏡像
- 第29話 調伏
- 第30話 口伝
- 第31話 薫習
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