神と仏と人。それぞれを分ける境界に臨む者たち。

探求の物語です。
仏教と神道の専門用語がでてきます。気にせずに読み進められますが、検索して勉強するとなおさらいいです。彼らが目指す深みに入っていけます。
もちろん私みたいに知識が不足していようが、その時々の意図や息遣いを感じられます。物語を覆っているのが心地よい難解さだからです。
そして美しい難解さです。例えば、

『相即相入互いに作用し、調和を保つ』
『如来無尽の大悲をもって、三界を矜哀す』

作者の意図と違うかもしれないですけど、ハイファンタジーの呪文に似た響きがあります。落ち着いた文章のなかで、ここぞで現れるので盛りあがります。

続編が待っているようですので、いまのうちに一読されることをお勧めします。