「ムサシノ」、それはどのような地なのか…!
- ★★★ Excellent!!!
二人の男性のやり取りから始まるこの物語。戦記物を彷彿とさせる重厚な語り口ですが、主人公が宮廷画家という職業であるから、血なまぐさい話にはならないと思いきや……?
どうやらこの国の新王となった男は、依頼する絵の出来如何で将軍たちの処分を決めるという。突然その双肩に重荷を背負う事になったアルフレッドの運命やいかに!?
この文字数で魅力的なキャラクター像を描き出し、緊張感ある展開、それでいて何故だか読者もムサシノってどんな所だっけ? と興味が惹かれるという。
新王の説明が言い得て妙というか、それ以外言いようがないしで。
武蔵野という土地のイメージを表現し尽くしながらも、ライトノベルらしい異世界転生の要素も織り交ぜられているという、短編とは思えない濃厚な後味の作品。
人生への示唆にも富んでいて、一読の価値ありです。