星に導かれし姫と騎士、心は近く……結ばれるには遠すぎて

星の姫であるエレナを守る騎士を選抜する試合で勝ち残った少年ヴァン。
この二人の出会いは運命か。

成長していく中で奔放なエレナに振り回されるヴァン。
惹かれ合う二人の心は運命か。

星の姫として役割を果たしているエレナを見守るヴァン。
それぞれの出生には相容れない秘密があったのは運命か。

結ばれないことが運命ならば、結ばれないことを選んだ心には何が秘められているのか。
どこまでが運命で、どこまでが人の意思なのか。

ヴァンの選択を運命と呼ぶのは容易いが、この物語を読んだ者はそれが心と知るでしょう。
ヴァンの心に対し、エレナは己の心を何と知るか……

重厚かつ繊細な筆致で描かれる美しい情景と心理描写。
その世界で確かに生きている人物たちの決断と結末は、悲しくも気高い。
多くの魅力ある人物の人生を目撃し、エレナとヴァンの心に寄り添える。

そんな物語です。

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