星の姫と星の騎士が紡ぐ正統派ファンタジー

幼き日に星の姫エレナと運命的に出会った少年ヴァン。彼女に選ばれし星の騎士となるところから物語が始まります。

時には餌付けされたり、時にはちょっと冒険して危険な目に遭ったりと、親分と子分みたいな二人の関係にはくすっと笑ってしまったり、純真で天真爛漫なエレナとヴァンのたしかな絆を築いていくところはとても微笑ましく感じました。

己の使命を全うすべく凜とした星の姫であろうとするエレナも、彼女の騎士として自ら過酷な道を選んだヴァンも神の意志とその運命に翻弄され続けますが、二人の物語を追っていくうちにページを捲る手が止まらなくなります。

作り込まれた世界観と精緻で美しい文章に魅了されるのはもちろんのこと、他の登場人物の背景も非常に丁寧であり一人ひとりのドラマを楽しませていただきました。

抗えない流れの中で彼らが最後に選んだのは己の宿命か、それとも愛か。
ぜひとも本編だけではなく、外伝の最後まで読み進めて頂きたい作品です。

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