人は、幸せになる権利がある。でもその方法がときどき、分からない

生活に不足はなくとも、さまざまなものが足らない。
生い立ちが過酷であったがために生きることに無頓着になっていた椿さんが、結婚を機に自分のなかの『空虚さ』を埋めてゆく。
それは日々をやり過ごすのではなく、日々を『味わい』、『楽しみ』、明日を思うこと。
家族との会話を楽しみ、夫婦の何気ないひと時を愛おしみ、ご近所の人と関わること、そんな何気ない、当たり前のことを積み重ねていく椿さんの姿に思わず応援したくなる作品。
いや、彼、私の応援なんか「気ぃつこてもらわんでもちゃんとできますよって」と軽く流されそうではありますが。

自分が動いたことで、ほかの人も次の場所へ動き出せる。
自分が幸せになる方法、その手がかりを見つけ出した椿さんと、しっかりしているようで全然わかってない彼をぐいぐい暖かい場所へ押して行く伴侶、向日葵さんに幸あれ!