あなたの運命は盤が知っている

ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。

本作は物語のタイトルにもなっている綿子の現状から語られます(あまり書くとネタバレになるので、濁させていただきます)。

その後は、冒頭に至るまでの物語。それはよくある青春の一コマなのに、何処か暗い影がチラつくようなものでした。
綿子のよる敬体一人称でお話が進んでいきますが、年相応の苦悩を持つ彼女の内面にほっこりしつつも、物語の端々には不気味さを感じます。

やがて迎えるラスト。少し前からあった緩みを一気に持っていった展開。背筋に冷たいものを感じつつ、うわぁ、本当に……? と、私は思わず唸ってしまいました。

短く、読みやすく、しかし濃密にまとまっている、青春恋愛ホラー。他の皆さまも、是非読んでみてください。

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