罪の《林檎》はあまやかに馨る

林檎。それは創世記に綴られる、禁じられた果実。原罪の実。
女は妖艶に微笑み、清純に羞じらう。幾重ものパイ生地におおい隠された、罪の果実はあまやかに馨る……。
馨りたつような筆致で綴られた禁じられた愛のあり様にじんとあまく胸が痺れました。それはまわりからみれば危険な罪の関係だけれど、彼と彼女にとっては一生に一度の純愛なのでしょう。

これを見掛けたあなた。
今宵の読書にひとかけの林檎のパイは如何でしょうか。
眩暈がするほどにあまくて、最後にほんのちょっぴりシナモンの香りがにがくて。きっと、やみつきになるはずです。

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