概要
一見傲慢に見えることが、その人の生きようとする道でもあるのよ。
同性パートナーと京都で暮らす詩織は、十年前に飛び出した地元・東京武蔵野へ戻ってきた。
舞妓/芸妓として華々しい道を歩む彼女に促され、母との関係修復を目指すが、足取りは重い。
そんな道中、地域のコミュニティバスで、とあるおばあさんに出会い……。
【カクヨムご当地小説特集】に掲載されました。↓
https://kakuyomu.jp/features/16816700427432309361
舞妓/芸妓として華々しい道を歩む彼女に促され、母との関係修復を目指すが、足取りは重い。
そんな道中、地域のコミュニティバスで、とあるおばあさんに出会い……。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間関係や家族関係に悩む人を、意外な形で後押ししてくれる作品です。
母親に対する反抗心故に家を出て行ってしまったり、自由奔放な親友と自分を比較して落ち込んでしまったり、置いてきてしまった家族に対する罪悪感に苛まれたり……細やかな心理描写を武器に、自立したばかりの女性の不安や葛藤をありありと映し出す美しい文章表現に、終始驚かされてばかりでした。こんなの一体どうやったら思い付くんだろう?
描写が細やかである故に、主人公の気持ちの揺れ具合が読む側にもしっかりと伝わっていて、一度感情移入してしまえばもう離さないとばかりに、ラストまで主人公の気持ちにぴったり寄り沿いながら読み進めることができました。かく言う自分も、実際に社会人になって未だに親の元を離れられないこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大切なことを教えてくれた老婦人の正体は……
10年ぶりに実家のある武蔵野に戻ってきた詩織。だが両親に対して後ろめたい秘密がある彼女は気が重いままだった。そんな彼女は吉祥寺駅周辺を走るコミュニティバスの中である老婦人に出会う。詩織の不安を感じ取ったかのように、自分の半生を振り返って語り始める老婦人だが、彼女の話にはある秘密が……。
自分の生き方に対して不安を抱いている詩織を、自分語りを交えながら励まそうとする老婦人の優しさが胸にしみる内容で、たまたまバスに同乗した若者と老人の交流を描くちょっといい話、という感じの本作だが、そうやって油断しているとラストで意外な真相に驚かされることになる。
物語は基本バスの中だけで展開されており、これ…続きを読む