いかに歩む?

10年にわたる同性との生活のことを、親に告げるため武蔵野に帰ってきた詩織は、バスの中で不思議なお婆さんに出会い……

まるで、ふわふわした迷路で、どちらに向かって歩いてよいのかわからず、機械的にバスで家を目指しているかのよう。
親に彼女のことを告げるのも怖い。
でも、親を捨てることもできずに、彼女と離れることができるのか?
彼女との関係すらにも自信を持てず、決断できない詩織に語りかけるお婆さんの言葉に……

彼女の決断は、望んだ結果をもたらさないかもしれないでしょう。
それでもきっと、彼女は向きあうことを決意したでしょうし、望んだ結末を得るためにあきらめないのではないかな?
いかに歩むか、詩織はその一歩目の大事さと重さを感じたでしょう。

このお婆さんが何かの暗喩であるのか、それとも言葉のままの人だったのかは、読まれた方がじっくりと考えてみるとよいでしょう。

素敵な作品。

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